ITテッなライフ

<ITテッなライフ>3.絶対グルメ感

2002/10/21 15:26

週刊BCN 2002年10月21日vol.962掲載

 ひとが3人以上集まると、必ず食べ物の話になる。最近食べた○○はメチャクチャ美味しかったとか、どこそこのレストランは味も雰囲気も最高よ、行ってみ! とか。

 洒落たカフェやレストランがぞくぞくオープンし、フードベンチャーやシェフたちがスターのごとくいろいろなメディアに登場する機会が多くなったのも影響しているのだろうか、この頃、食に対する好奇心(執着ともいう?)をもつ人が多くなったように感じる。

 それを反映してか、個人のホームぺージにも食に関連したコーナーがよく設けられている。

 雑誌の仕事で、取材前にレストランへ試食に行く機会がある。店の人には内緒で料理の内容、味、店の雰囲気、値段、店の人の対応などを見て、気に入ればその場で取材を申し込むし、見送る場合もある。が、いつも悩むのが「味」である。

 それは「絶対グルメ感」のシワザだ。「わたしがどこそこの店の○○が美味しい! と感じても、AさんもBちゃんもC君も同じように美味しい! と感じるのだろうか?」である。

 以前エスニックレストランの雑誌取材のため、編集者と試食に行った某ベトナムレストランでの一件が由来する。編集者は「料理もなかなか美味しいし、雰囲気もよくって取材してもいいんじゃない?」

 しかし、わたしは「いいえ」であった。たしかにいい雰囲気のお店だった。が、わたしの舌が料理を美味しく感じなかったのである。

 ううむ、両者の舌の違いは何なのか? うまい、まずいを選別する舌はいかに作られるのか?

 それについて、人が生まれ落ちた瞬間から感覚器官や脳の働きなどが総動員してグルメ感をつくりあげる、などと仮定してみた。

 としたら味の感覚はきわめて個人的な歴史である。ならば「美味しいね」を共有できる人や料理との巡り合いは歴史と歴史が重なる至福な行為といえるかも。

 紐解いてみたいテーマですねー、絶対グルメ感って。
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