旅の蜃気楼

花電車

2003/05/19 15:38

週刊BCN 2003年05月19日vol.990掲載

▼ずいぶん昔の記憶になる。故郷の街の岐阜市には、“ちんちん電車”が走っていて、お祭りになると、その電車がきれいな飾り付けでドレスアップする。それを、“花電車”といっていた。偶然見かけると、得をしたような気分になった。最近、都内の電車も花電車化している。先日、有楽町線・要町駅でいつものように電車を待っていた。朝はその日の行動をイメージする貴重な時間で、たいがい上の空気分である。それが、突然、「釣りキチ三平」の広告を貼り付けた電車(写真1)が走ってきた。いや、楽しい気分で驚いた。思わず、デジカメで「カチャン」。得をした気分になった。

▼この日、広島に向かった。羽田空港からJASと合併したJALに乗った。空港にはJASマークの飛行機があったり、赤い鶴のマークが尾翼で飛んいるJAL機があったり、さまざまだ。ロゴマークの統一といった、CIの基本もそっちのけである。いつごろ統一できるのかしら。新しく塗り替える経費も馬鹿にならないだろうな。広島空港から広島駅前に向かい、山陽本線の下りホームで、電車を待った。突然、「関門海峡物語」と書いた花電車が。車体には宮元武蔵と佐々木小次郎の巌流島の対決(写真2)。

▼やはり得をしたような楽しい気分になった。巌流島の対決も目を引いたが、釣りキチ三平の花電車のほうが、より得をした気分がした。巨人の星とか、あしたのジョーの花電車が見たいな。(広島発・笠間 直)
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