この秋役員会で四国へ旅をした。目指すは日本最後の清流四万十川を源流から河口まで、そのすべてを満喫しようということである。10年ほど前に四万十川の舟遊をしたことがあった。その時には道路事情もあって舟の発着所が河口に近かったので川の水深が深く、濃い紺一色で透明感がなく、もう一つ欲求不満のままで長い間心残りを引きずっていた。

 前夜小京都中村に1泊、早朝遊覧船発着所に向かう。今回は沈下橋よりも上流の発着所だったので、沈下橋の橋の下を昇り下りしながら充分に舟遊を楽しむことが出来た。水は飽くまでも清く澄んでいて、川面は鏡のように遠くの山や川岸の樹々を映し、ゆったりと波静かに流れていた。川は蛇行につれて浅い瀬と深い渕があり、浅瀬の川底は砂利が透けて見え、6メートルを越す深い渕は紺一色であった。船内で四万十川特産の鮎や川えびを食し、ビールを飲む。その後更に上流の枕下橋を徒歩で渡り、橋の上から前後左右の美しい景観を楽しんだ。この穏やかな川も一端増水すると沈下橋の数メートル上を超す暴れ河に変ずるという。川岸には流れに強い真竹が密生していた。

 愈々難関四万十川源流の探訪である。東津野村役場前でタクシーに分乗、石ころだらけの道を走ること40分、「四万十川源流の碑」の前につく。ここから標高1200メートルの源流点までは徒歩約25分、山登りというよりも岩登りに近い。私は小雨まじりの中を悪戦苦闘すること20分、遂に力尽きて8合目で断念、皆に助けられながら下り、漸く「源流の碑」にたどり着いた。皆疲れたようだったが、貴重な体験を心から喜び合っていた。

 私も源流から河口まで、清流四万十川の魅力を充分に味わい体感することができ大満足であった。