北斗七星

北斗七星 2004年5月17日付 Vol.1039

2004/05/17 15:38

週刊BCN 2004年05月17日vol.1039掲載

▼「e」から「u」へ。5月11日の経済財政諮問会議で、麻生太郎総務大臣はe─Japan戦略に続く新たな次世代IT戦略を提案した。名付けて「u─Japan構想」。uはユビキタスネットワークの略で、ユニバーサルのuでもあるという。「いつでも、どこでも、何でも、誰もがネットワークに簡単に繋がる社会」を目指すらしい。

▼2001年1月、「世界最先端のIT国家をめざす」としてe─Japan戦略はスタートした。政府は毎年2兆円近い予算をIT分野に投入。03年にはe─Japan戦略Ⅱを策定するなどさまざまな施策を打ち出してきた。しかし、そのなかでどれだけのものが結実したか。e─Japan戦略がわが国のIT分野に劇的な変革をもたらしたとの声は聞かれない。

▼u─Japan構想では、①新しいビジネスの誕生、②地域再生、③少子高齢化のなか、安全・安心な暮らし──の3つが2010年までに実現するという。総務省の試算によると、経済波及効果は120兆円。だが、はたしてその思惑通りにいくだろうか。e─Japan戦略の成果を評価する評価専門調査会の中間報告(3月発表)は、ITの利活用や構造改革は遅れていると厳しい。また、麻生大臣の提案について坂本剛二経済産業副大臣が「IT戦略本部でしっかり議論したい」と、経産省からの〝牽制球〟的発言も。将来のビジョンを示すのは政治家や官僚の役目だが、それが絵に描いた餅にならないようにしなければならない。
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