北斗七星

北斗七星 2004年8月9日付 Vol.1051

2004/08/09 15:38

週刊BCN 2004年08月09日vol.1051掲載

▼分散化が進んだとはいえ、8月の旧盆を中心に夏休みをとる人が多い。企業の夏期一斉休業も間近、恒例の民族大移動がまた始まる。子供たちは一足早く移動を開始しているようで、新幹線の車内は、普段に比べて騒々しい、いや元気に満ちているといった方が適切か。

▼先日、やや様子の違う集団と同じ新幹線に乗り合わせた。甲子園に向かう関東のある代表校の一団だ。修学旅行生はうるさくてかなわないのだが、この集団は夢の舞台での勝負を控えてか、故郷を代表する緊張感からか、同じ世代でもいたっておとなしい。ビジネスマンが夏休みで戦いの場を一時離れるのに対し、球児たちは勝負に臨む。その姿に勇気と感動をもらうビジネスマンも多い。

▼7月20日から8月6日まで、臨時国会が開かれた。参議院選の結果を受け、民主党は先の通常国会で成立した年金改革法の廃止法案を提出したが、議論は噛み合わないまま否決された。議員の先生方も夏休みに入り、地元へ、あるいは海外視察へと向かう。国会議員に夏休みは不要、というつもりはないが、政治家を志した以上、議場で真剣勝負をすべきではないか。年金問題にとどまらず、論戦のテーマにはこと欠かない。

▼「秋になり、涼しくなったら、またやるよ」と言う政治家は多いが、予定調和の臨時国会でお茶を濁すのが国民感情に合致するだろうか。ビジネスマンは、1週間で職場に戻り、球児は負けた翌日から新チームで次を目指すのだが。
  • 1