アマチュアのためのゴルフ心理学

<アマチュアのためのゴルフ心理学>3.軽井沢72を制した北田プロ

2004/08/23 15:27

週刊BCN 2004年08月23日vol.1052掲載

 国内ツアー通算17勝(アメリカツアー2勝)の福嶋晃子プロと、今季初優勝を手にしたばかりでプロ3年目の北田瑠衣プロが、同スコアでスタートした軽井沢72ゴルフトーナメントの最終日。なかなか面白い試合だった。

 今回の両者のように、飛距離や経験に差がある場合、北田プロの心理として相手プロに圧倒されて自分のプレーができなくなる、はからずもギャラリーになってしまう、ということがプロ同士といえども起きかねない。ところが、最終的に飛距離や経験では圧倒的に有利な福嶋プロを下し、ツアー2勝目をあげた。何が彼女に勝利をもたらしたのか?

 第1に考えられるのが、自分のプレースタイルをわかったマネジメントの上手さとそれを貫く強さ、である。

 その真骨頂が16番のパー5。飛ばし屋の福嶋プロのドライバーは左ラフとはいうものの290ヤード近いビッグドライブ。一方北田プロは、自分の飛距離ではグリーン手前のクリークにつかまる可能性が高いとみて、最初から3打目勝負と冷静な判断を下した。これが結局、福嶋プロのボギー、北田プロのバーディと大きく明暗を分けた。

 このように相手のドライバーの飛距離に惑わされることなく、自分の得意のゲーム運びで勝負をしようと冷静に判断できたのは非常に大きい。

 実際、こうした判断はショットの出来不出来などよりも、よほど結果を大きく左右することが多いのだ。

 第2に、北田プロの強さはショートゲーム、とくにパターの巧さである。1R平均72打としても、そのうちパターは30打近くを占めている。このパターが巧いか否かは、スコアに直接結びついてくる。プロは練習方法を色々と工夫をしているが、北田プロはそれが2回の優勝に大きく結びついているのは間違いない。

 アマチュアの皆さんも、この北田プロの戦い方を参考にし、一生懸命ドライバーを飛ばすことを考えるよりも、自分のスタイルに合ったプレーを貫くこと、パターの腕を上げること、これを意識してみてほしい。スコアメイクがぐっと楽になるはずだ。
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