今年の情報セキュリティ対策投資を活発化させている要因は、言うまでもなく個人情報漏えい事故の頻発だろう。ソフトバンクBBを筆頭に、日本信販、ジャパネットたかたなどの大手企業を筆頭に、漏らした企業も流出した個人情報も数え上げればキリがない。

 コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)も、個人情報を漏えいした企業・団体の1つ。久保田裕・専務理事・事務局長は、「(個人情報が出てしまった)4人には会って直接謝罪したが、“もし今後不正に扱われたらどうするんだ”と、針のムシロに座らされたよう」と、その時の状況を吐露する。

 ウェブサーバーの脆弱性を突かれ、ウェブサイトの質問ページにアクセスした4人の個人情報が奪われた。結局、その質問ページは、閉鎖を余儀なくされることに。だが、著作権保護推進の中核団体であるACCSの質問ページ再開を求める声は、事故後でも多かったという。ACCSは、個人情報の入力なしで質問を受け付ける仕組みに変更し、質問ページを再開した。

 「個人情報を漏らさないための万全のIT設備を揃えられるほど、資金的に余裕があるわけではない。それならいっそのこと、個人情報を保有しない方が良い」(久保田氏)。“両刃の剣”となった個人情報。時には「持たない」という選択も今の社会環境では必要かもしれない。