旅-経営者の目線-

<旅-経営者の目線->79.津軽海峡

2004/10/18 15:27

週刊BCN 2004年10月18日vol.1060掲載

 この9月11、12日、親戚の結婚式で函館に行った。出発前日まで心配していた台風18号が予報よりも1日早く北海道を通過したので、平常通り10時10分に羽田を出発することができた。

 函館空港から市内に向かう車で、左に津軽海峡を越えて下北半島が手に取るように近くはっきり見えたのにびっくりした。函館は洞爺丸遭難以来50年振りという大型台風に見舞われて、札幌の北海道大学のポプラ並木をはじめとして、函館市内のあちこちで巨木が倒れ、人家の被害も甚だしかった。

 だが今日は、台風一過で、高い薄雲はあったが空気は澄んでいて、爽やかな秋の気配を見せていた。私は函館訪問はこれが6回目になるが、いつも晩春から初秋にかけて来たので、晴天でも海上が霞んでいて、はっきり下北半島を眺めたことがなかった。そのために、これは絶好のチャンス到来と思って、心躍らせて立待岬に向かった。岬からの津軽海峡の眺望は、期待した以上に素晴らしいもので感動した。

 北海道亀田半島と下北半島の間や、下北半島と津軽半島に挟まれた陸奥湾の入り口、そして津軽半島の竜飛岬と北海道矢越岬の間という3つの海峡を一望できたことは、思いもよらないことだった。

 前月に飛鳥クルーズで、青森から竜飛岬を2度目に訪れて、北海道を望見しようと思ったが、またも靄に霞んで果たせなかった。それだけに今回図らずも台風一過のおかげで長年の想いを果たし感無量であった。しかし生憎、今回は愛用のカメラを持参しなかったので、使い切りカメラで撮り、ピントが甘く、広角や拡大写真を撮れなかったのが何とも悔やまれてならない。
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