アマチュアのためのゴルフ心理学

<アマチュアのためのゴルフ心理学>11.集中力が18Hもたない

2004/10/18 15:27

週刊BCN 2004年10月18日vol.1060掲載

 「前半のハーフは集中できても、後半のハーフはもたない」といった話ををよく耳にする。確かに、1ラウンドおよそ3、4時間かかるものを、集中し続けるのが容易でないことは想像に難くない。

 だが、このコラムの初回でも触れたように、ゴルフは1ショット5秒と見積もっても、肝心なショットに費やされる時間はたった10分にも満たないのだ。集中力がもたないと言っている大部分の人は、ラウンドの間中ずっと集中しなければならないと思っているから大変なのである。

 そこで発想の転換をしてみよう。ショットに関わる時間(ショット分析、ルーティン、ショットの瞬間)以外の待つ時間、歩きの時間はすっかりリラックスする、ということを取り入れてみてほしい。

 ショット分析に入ったら集中のスイッチを入れ、打ったら再びリラックス、といったように、集中のメリハリをつけるのである。

 リラックスするために、まずは思考の改善を図ろう。歩いている間中、前のショットにがっくりしたり怒ったりしているのと、過ぎてしまったことはそれとして、ゴルフ場にいることを楽しむゆとりがあるのとでは次のショットに向かった時の気持ちも集中力も全く違う。

 前のミスを引きずるかわりに、「空気がきれいだな。こんな広い空間をほぼ独占できるなんて幸せだな」などといった風に、気分の良くなることに意識を向けてみてほしい。

 次に行動の改善だが、失敗したりイライラしている時は、気づかないうちにのろのろと歩いていたり、肩が落ちているものである。こんな自分に気づいたら、背筋を伸ばし、深呼吸を繰り返し、はつらつと歩いてほしい。人は笑いながら怒ることができないように、行動を改善することで気持ちを変えることができるのだ。胸をはって深呼吸を取り入れたり、シャキシャキ歩いているうちに気持ちはすっきりとしてくるはず。

 思考の改善、行動の改善を取り入れ、待つ&歩く時間をリラックスして過ごせるようになれば、ラウンドを通して必要なところでだけ集中することも格段にやりやすくなるだろう。
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