▼固定電話をひく際にNTT東西地域会社に支払う施設設置負担金(加入権料)を巡り、十年一日の議論が繰り返されている。契約時に支払う額は現在7万2000円。ここ20年来、ほとんど変わりなく、その費用の根拠は何なのか、明確な回答を政府もNTTも示せないままだ。

▼携帯電話においては1993年10月に保証金制度が廃止され、96年12月に新規加入料も廃止された。この結果、携帯電話の普及にどれほど弾みがついたかは、改めて振り返るまでもない。同じNTTグループにありながら、NTTドコモの選んだ道は〝旧弊〟を乗り越えるところから始まっている。

▼NTTの施設設置負担金という制度は、第2次世界大戦後の間もない日本において、インフラ整備のために互いに協力し合おうという発想から生まれている。だが、携帯電話がここまで普及した今日、固定電話の初期加入負担は足かせでしかなく、いまさら「7万円超の金を払ってまであえて固定電話の方を選ぶ」という個人ユーザーは皆無と言っていいのではないだろうか。

▼加入権を資産に計上している企業が多数を占めると見られ、個人にとっても負担金が戻って来ないとなると、その撤廃は一筋縄でいかないのも事実だろう。だが、今後の日本の進むべき方向から判断すれば、そろそろ〝時代遅れ〟な負担金を廃止すべき時期に来ているのではないか。IT景気が戻りつつあるなか、いま負担金の問題を解決できないようでは、また10年後も同じ議論を繰り返しているに違いない。