北斗七星

北斗七星 2004年10月25日付 Vol.1061

2004/10/25 15:38

週刊BCN 2004年10月25日vol.1061掲載

▼かつて、IT産業の盛んな北欧の国の在日大使館を取材したことがある。日本との経済交流の活発化を目指す担当者は、日本同様に自国も経済的困難に見舞われたこと、国家的プロジェクトとして産官学の連携を図ったこと、その結果として産業と技術の集積が高まったこと、そして現在の高い国際的競争力の獲得につながったことに熱弁をふるった。

▼当時の日本は、まだ金融面、産業面での不安要因を抱えており、経営効率化のためのリストラが、最優先の課題であり、次のステップに踏み出せる余裕はなかった。かの国の担当者に、そうした日本経済の実状について説明を試みたものの、コミュニケーション能力の不足もあってか、なかなか理解は得られなかった。

▼先ごろ、世界経済フォーラムが発表した今年の世界競争力報告によると、世界104の国と地域の中で、日本は昨年の11位から順位を上げ9位となりトップ10にランクインした。企業の技術吸収力や研究開発費などが高いポイントを上げており、民間の自助努力の結果といえるだろう。

▼最近会った、あるメーカートップも、バブル期以前のように技術力の大切さを熱く説いていた。自信が出てきた証拠だろう。もちろん、行政の効率性も改善し、そこにはITも少なからず貢献していると考えられる。しかし、残念ながら北欧のかの国は、依然、日本の上位にある。追い抜くことができるのは、いつのことだろう。
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