Letters from the World

究極のオンラインショッピング?

2004/11/29 15:37

週刊BCN 2004年11月29日vol.1066掲載

 アマゾンでも買い物をした。イーベイでも買い物をした。デルドットコムでも買い物をすることが多い。インターネットで色々なモノを買ってきた。そして色々なショッピングシステムを見てきた。最近、究極のオンラインショップで買い物をした。www.usmint.govというサイトだ。UNITEDSTATES MINTとは、米国の造幣局のこと。このサイトで米国のコインを買うことができる。売り主が米国政府というわけで、最も信頼できるベンダーである。

 サイトは「これが政府のサイトか」と思うようなデザインで面白い。決済はクレジットカード。何となく米国政府がクレジットカードの支配を受けるというのが滑稽だ。私は、2004年米国のダブルイーグルコインを買ってみたいと思ってログインした。価格は安いのか高いのか全くわからない。サイトの勉強にもなると思って、実際にコインを1つ買ってみることにした。

 一般的なショッピングカートで、特に政府だからセキュリティが良いといった感触は受けない。自社で開発したショッピングカートシステムと何も変わらない。とにかくチェックアウトまで進んだ。あとは郵送(さすがに政府、フェデックスやUPSは使わない)されてくるのを待つだけだ。

 それから、1週間がすぎた。まあ、郵便局だから仕方がない。それからまた1週間が過ぎた。届かない。クレジットカードを確認したら、課金されている。まさか米国政府にだまされた?さっそく、電話をしてみることにした。

 電話をしたら、何か問題があるのでセキュリティ部門の人と話して欲しいという。「何じゃ」と思ったが、とにかくそちらに電話を回してと言ったら、さすがお役所仕事、「今日はもう帰った」と言う。おいおい、と思ったが次の日に電話した。今度は「ランチでいない」。ほとんど切れてしまった。

 次の週に電話をするつもりで月曜日になったらコインが到着した。何となく納得がいかない買い物だ。表をどれだけ可愛く飾っても、やはり裏はお役所というお話。(シアトル発:パシフィックソフトウェアパブリッシング 内倉憲一)
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