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<旅-経営者の目線->86.白神山地と奥入瀬渓流

2004/12/06 13:57

週刊BCN 2004年12月06日vol.1067掲載

 今年(2004年)9月、幹部社員達と青森・秋田・岩手の東北3県にまたがる旅をした。02年12月既載の三内丸山遺跡を振り出しに、世界遺産の白神山地と十和田・八幡平国立公園を回った。

 白神山地は世界有数のブナの原生林が広がっていて、8000年前の姿を今に残している。ブナは高さ25メートル、幹の太さ1.5メートルもの大木になるが、水分を多く含み建築材としては不向きなので抜採され、杉や桧に植え変えられてきた。しかし、ブナの葉は陽光を多く通すので下草も育ちやすく、イヌワシなど多くの動植物がいきいきと共生している。その上ブナの木もその落葉も保水力が強いので、治山治水の面でも見直されてきている。

 西目屋村の登山口に着き山登りに挑んだが、体力が続かず途中で引き返した。この沢の清流が集まって岩木川となり、やがて北上して十三湖に入り日本海に達する。

 ブナの林の中を大鰐温泉に向かい、高くて明るい緑のトンネルの中を延々と走る、その爽快さはかつて経験したことがない。

 十和田湖から流れ出す長さ14キロの奥入瀬渓流は何度来ても素晴らしい。美を競う渓谷は多いが、ここは両岸に切り立った断崖が続き、その間を川に沿って左右に遊歩道が続く。バス通りまである広さは珍しく価値がある。阿修羅の流れなどの急流や、雲井の滝など名のある滝も多く、観賞地点が次々に続いている。緑の多い初秋だったのでその美しさを楽しむことができたが、やはりここは紅葉よりも新緑の季節が最高だと思う。

 八幡平の展望台は残念ながら霧が深く視界不良だった。
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