BCN FORUM

VTR戦争の再来

2004/12/20 15:27

週刊BCN 2004年12月20日vol.1069掲載

 来年の製品化に向けて主導権争いが激しくなる次世代DVD。ソニーなどが推す「ブルーレイ・ディスク(BD)」と東芝などが事業化を推進する「HD DVD」のどちらが主流になるか。エンドユーザーならずとも気になるところ。

 年明けに米ラスベガスで開かれるCES(コンシューマ・エレクトロニクス・ショー)で、「HD DVDと次世代薄型ディスプレイのSEDを連携させた展示をする」とは、東芝の森本泰生・取締役代表執行役副社長。CESの会場で、2つの次世代技術を組み合わせてアピールするそうだ。

 カギを握るのはコンテンツを持つ米映画界。MGMや20世紀フォックスなどがBD陣営を推せば、タイム・ワーナー、ユニバーサル・ピクチャーズなどがHD DVD支持を表明する。最後に残ったウォルト・ディズニーはこのほど、BD方式のソフトを発売することを明らかにした。

 こうなるとユーザーが思い出すのは、かつてのVTR戦争。ソニーのベータマックス方式を松下電器産業などVHS陣営が押しのけた。「ベータ対VHSの争いのようにはならないのでは」と語る森本副社長。米映画各社のシェアからみれば、BDもHD DVDも決定的に優位に立ったとは言い難い。「製品化の計画は変えない」方針だが、どっちが勝つのか消費者はやはり気になる。
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