北斗七星

北斗七星 2005年3月28日付 Vol.1082

2005/03/28 15:38

週刊BCN 2005年03月28日vol.1082掲載

▼BCN本紙でも活躍中の韓国のITジャーナリスト、趙章恩さんから、「韓国企業の間では最近、日本企業は韓国企業を訪問するばかりで少しもビジネスにならない、と訪問自体をお断りするケースが増えたようです。日本企業ももっと積極的になってくれるといいのですが…。韓国企業はせっかちなので、(日韓)足して半分に割るのが一番なんですが…」とメールが届いた。3月末になると、予算消化のためなのか、日本企業や公共団体の韓国IT企業訪問の依頼が増えるのだという。

▼つい最近まで、韓国は「近くて遠い国」だった。しかし、昨年からの韓流ブームもあって、一気に近い国になった。企業などのIT企業訪問が絶えないのも、韓国のITサービスに一日の長があるからだ。それなのに竹島(韓国名・独島)問題がこの流れに水を差している。韓国では、日本との姉妹都市の解消や政府に日本との問題を統一的に扱う常設機関を設ける動きが出るなど、敏感に反応している。

▼この欄で政治問題や互いの歴史観の違い、過去の不幸な出来事について持ち出そうとは思わない。様々な考え方があるだろう。もちろん主権の及ぶ領土の問題を軽視するわけでもない。コンピュータ業界から見れば日中韓はOSS共同開発など、政府、業界を挙げての協力関係を深めている。BCNでも、こうした動きを追って日中韓の取材網をつくり友好関係を築いている。今回の問題の解決は簡単ではないだろうが、早く解決の方向に進んでもらいたい。我々の友情は不変だが、国と国の問題はやはり気になる。
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