19世紀後半、英国で製鉄技術が確立され、金属製クラブとしてアイアンクラブが生み出されました。その後、ゴルフは近代スポーツとして今度は米国で開花していくのです。

 記録によれば、米スポルディングが最初にアイアンを発売したのが1894年。この年、アメリカプロゴルフ連盟(USPGA)が設立され、今や4大メジャー大会の1つになった「全米オープン」がスタートしています。ちなみにこの時日本は明治27年。

 さて、ウッド(特にドライバー)やパターに比べ、買い替え頻度がぐっと少なくなるのがアイアン。セットで買うことが多いので、なかなかとっかえひっかえというわけにはいかないものです。

 しかしながら、ゲームを組み立てていくうえで、とても重要なのがアイアンです。そこには、正確な距離と方向が求められているからです。言い方を換えれば、アイアンほどそのプレーヤーとのマッチングが重要とされているクラブはなく、本来はドライバーやパターよりもしっかりとした調整が必要ではないでしょうか。重さ、長さ、シャフトの硬さ、スイングバランス、ロフト角(注1)、ライ角(注2)、さらに重心の高さ、重心距離(注3)、フェースプログレッション(注4)、ソール角(注5)など、正確な距離と方向性を決める要素はいっぱいあります。

 プロではないからといっても、自分の力量、体型、スイングに合っていないアイアンはスコアを作れないばかりか、スイングまでも壊してしまう恐れがあります。

 もう1度、ご自分のアイアンについて考えてみてはいかがでしょう。
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(注1)フェース面上向きの角度。例えば、3番アイアン21度、サンドウエッジ56度など。
(注2)クラブを正面から見た時のシャフトの傾き。短いクラブほどライ角は大きくアップライトになる。
(注3)ヘッドの重心とシャフトの中心線を結んだ長さ。数字が大きいほどヘッドが返りにくい。
(注4)シャフト線を基準にフェース面が前進していることをいう。グースネックはフェースプログレッションが小さい。
(注5)シャフトを垂直にしたときにソール前方から後方に向かって作られる角度。通常サンドウェッジは大きいバウンス角がつけられている。

[ナカシマケンジ]
profile
1955年生まれ。79年、留学先の米ユタ州で本格的にゴルフを始める。95年、オーストラリアのシドニーに移住。99年、ゴルフのカスタムフィッティングの店「K's Golf」開店。