▼「今年はモダンになろう」と決めた。“モダン”にである。それには理由がある。昨年、大塚実さんと『冬のソナタ』のロケに使われたメタセコイアの並木を見に行った。その折り、「あなたはマスコミの社長だから“モダン”になりなさい」といわれた。その話に至った前後は別の機会に譲るとして、突然に“モダン”という言葉が飛び出したので、驚いた。日常あまり使うことのない語彙だし、長い間、モダンには縁のない身だしなみなので、「エッ!?」といった具合だ。まさか、ヨンさまとの比較ではないだろう。(ないない)

▼“モダン”とはなんだろうか。どうもピンとこない。幾人かの仲間を思い浮かべてみる。新年号のキーパーソンで熱弁を振るったジャストシステムの浮川和宣さん。ピントはさらに拡散する(失礼)。モダンとはなんだ。友人が『LEON』を差し入れてくれた。「ちょい悪おやじ」の雑誌だそうだ。初めて見る雑誌は新鮮で、ふむふむ、と感心してページをめくる。が、モデルを自分に置き換えてイメージを膨らますと…。ああ、情けない。でも収穫はある。紙面から、変わりつつある丸の内、銀座の時の流れが伝わってくる。ダークな光のバーで、シングルモルトを味わいながら「まったり」って感じかなぁ。

▼見出しも気に入った。2月号のそれは「ミラノ・スタイルは、ちょい、下ゴコロ」だ。下ゴコロ、それも「ちょい」なのだ。いい感じではないか。そうだ。これだ、と感じて「ちょい、下ゴコロ」を“モダン”と決めた。ぐいぐい文化を引っ張る『LEON』の発行元はどこだ。「SHUFU TO SEIKATSU SHA CO.,LTD.」だ。漢字にすると、主婦と生活社。『主婦と生活』の創刊号は1946年5月4日。値段は4円。戦後に主婦の生活文化をリードした月刊誌だ。婦人雑誌はすでに峠を越え、93年4月号で休刊。理由は「家事に専念する印象、商標イメージ寿命に」である。47年の役目を終えた。昨年は『コンピュートピア』『日経バイト』が幕を閉じた。大塚さんのひと声が意味を持ってきた。時代は変わるぞ。“モダン”になろう。今年は「ちょい、下ゴコロ」のセンスを磨こう。(本郷発BCN社長・奥田喜久男)