▼政府の脱デフレ宣言に向けた環境が着々と整いつつある。3月9日に日銀が5年ぶりに量的緩和政策を解除して、影響が注目されたが、3月末の株価は1万7000円台を突破。4月発表の日銀短観では一服感が現れたものの景況感は底堅い動きとなった。今月末から本格化する企業の決算発表でも好業績が期待できるだろう。ゼロ金利政策からの転換も時間の問題となってきた。

▼情報サービス業の景況感も拡大基調が続いている。日銀短観の業況判断指数を見ても、鉄鋼、機械、不動産に次ぐ高水準を維持しており、なかでも目を引くのは、中小企業の指数が昨年12月調査に比べて6ポイントも改善した点。大手、中堅だけでなく、業界全体に需要拡大の恩恵が広がってきており、今年度も景気回復基調が続くなかで活発なIT投資が期待できるだろう。

▼問題は需要拡大に対応できるだけの優秀な人材を確保できるか。これまでも慢性的な人材不足に国内では有効な手を打てずに、オフショア開発などに依存してきたことを考えると、そう簡単に対応できるとも思えない。IT新改革戦略と3月にまとまったばかりの第3期科学技術基本計画でも、最重要課題として高度IT人材育成に取り組む方針が示されたが、日本経団連の高度IT人材育成WGで委員を務める大成建設の木内里美理事情報企画部長は「ITベンダー側はすぐ目先、自分たちが必要な人材を求めたがる」と苦言を呈する。IT投資が拡大基調にある今こそ、将来に向けた布石を打つべきときではないだろうか。