▼日本のソフトウェア開発力は世界の最先端をゆく──。国産ソフト会社はこう自負するが、国産ソフトが世界を制した例は皆無だ。その原因のひとつが、「品質」であろう。ここ数年、国内では大規模システムが相次ぎ故障し、しばしば「テスト不足」を露呈した。ビジネス分野から一般消費財に至るまで、構成要素にソフトの占める割合が増加。いまや「品質」は、国内ソフト産業の命運を左右する。

▼今年を「テスト元年」と呼ぶ技術者が増えた。国際ソフトテスト資格認定委員会「ISTQB」の日本支部「JSTQB」が、日本語版の基礎テスト技術者資格試験を今年8月に開始するからである。ここ数年、国内でソフトを組み込んだデジタル家電やビジネスソフトの「完成品」に対する「負荷テスト」は進歩した。しかし、ソフト開発途上のテストに関しては、世界に比べ後発で、この試験がソフト技術者の能力を上げることに貢献すると期待が集まっている。

▼ソフト開発に必要な言語やアーキテクチャは日進月歩。顧客の過大な要望にも応えられるソフトを生み出せるようになった。高度化する一方で、コードや内部構成の複雑さ、他システムとの接続性などで、誤動作を引き起こしている。ある業務ソフト会社の幹部は「人と時間をかけるほどにバグが出る」と、テスト工程を増やしても、なお問題が生じると嘆く。人海戦術や〝勘〟に頼ったテストでは立ち行かないのだ。いまこそ、論理的にテストを担う技術者を国家レベルで養成する必要がある。