▼政府は6月1日、「長期戦略指針『イノベーション25』を別冊の通り定める」との閣議決定を行った。別冊とはイノベーション25の具体的内容を表した報告書を指す。この指針は技術立国・日本の今後を大きく左右することになろう。「2025年までを視野に入れ、豊かで希望に溢れる日本の未来をどのように実現していくか、そのための研究開発、社会制度の改革、人材の育成等短期、中長期にわたって取り組むべき政策を示した」のがイノベーション25なのである。

▼イノベーションについては、「技術の革新にとどまらず、これまでとはまったく違った新たな考え方、仕組みを取り入れて、新たな価値を生み出し、社会的に大きな変化を起こすことである」と定義している。そして、「イノベーションの創出・促進に関する政策は、従来の政府主導による『個別産業育成型』、『政府牽引型』から、国民一人ひとりの自由な発想と意欲的・挑戦的な取り組みを支援する『環境整備型』へと考え方を大きく転換していかねばならない」とも指摘する。まったく同感である。

▼じつは、こうした考えは松下電器産業の副社長を務めた水野博之博士が、本紙に長期連載したコラムの中で主張していた。同氏に確認したところ、名前は表に出ていないが報告書のとりまとめには裏方として協力したそうだ。取り組むべき課題として、膨大な数のテーマが掲げられているが、日本主導のイノベーションをできる限り数多く実現して欲しいものだ。