立ち話

住商情報システム 阿部康行社長

2007/08/27 19:47

週刊BCN 2007年08月27日vol.1200掲載

 大手SIerの住商情報システムは有望ISVの囲い込みに力を入れている。今年4月にはオープンソースソフト(OSS)方式のサーバー仮想化ソフトを開発する米ゼンソースと、ライバルの伊藤忠テクノソリューションズと歩調を合わせる形で業務提携。国内SIerの多くがゼンソースの競合に当たるヴイエムウェアと組むなか、“独自の路線”をいち早く打ち出した。

 続く6月には、かねてから提携関係にあった国内有望CRMベンダーのエンプレックスの出資比率を従来の約16%から3割強まで高めた。

 阿部康行社長は、「できるだけ早く完全に当社グループに入ってほしい」と熱烈なラブコールを送るが、当のエンプレックスは「相手のあることなので…」と明言を避ける。双方の思いが複雑に交差する。

 ところが、そうこうしているうちに今月、米ソフト開発大手のシトリックス・システムズがゼンソースを約5億ドル(約570億円)で買収することに合意したと発表した。

 「先手を打った」はずが、シトリックスに先を越された様相になってきた。IT業界は動きが速いというが、食うか食われるか、早い者勝ちである。
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