北斗七星

北斗七星 2008年1月28日付 Vol.1220

2008/01/28 15:38

週刊BCN 2008年01月28日vol.1220掲載

▼昨年1年間、不振の続いていたパソコン市場にようやく回復の兆しがみえてきた。BCNランキングで昨年12月の販売をみると、台数ベースで5.1%増、金額でも4.4%増となった。台数で前年同月を5%以上上回ったのは、05年の12月以来実に24か月ぶりだ。ノートについてはVista発売以降、台数ベースで前年増に戻してきたが、デスクトップの減少が大きく、パソコン全体では前年並みを維持するのさえ困難な状況だった。

▼パソコンの世帯普及率は8割に迫り、生活に欠かせないツールになった。しかし、メールの主役が携帯電話に移るなかで、買い換え促進のための用途提案を提示しきれなかったのが苦戦の要因だろう。結果、ネット接続であれば割安なショップブランドや自作パソコンで十分という風潮が広がり、価格低下と販売の減少が同時に進むという悪循環が続いてきた。

▼しかし昨年の年末商戦を分析してみると、これまでにない変化が現れている。例えばデスクトップの前年同月比が11-12月と連続で1ケタ減に回復した。しかも売れ筋のベスト10に20万円を超える高額モデルが2機種食い込んでいる。店頭で聞くと、自分の部屋でテレビやDVDの映画を楽しむために、20インチクラスの大画面パソコンを購入する客が増えているという。ユーザーの意識が価格優先から、テレビとの複合用途へと移ってきたとすれば、回復の兆しは本物だろう。パソコンが長かった不振のトンネルから抜け出せるか、春商戦に注目したい。
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