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三大キーワードの相乗効果

2008/03/10 15:37

週刊BCN 2008年03月10日vol.1226掲載

 今年の三大キーワードの1つ“仮想化”のビジネスが急ピッチで拡大している。仮想化ソフトベンダーのヴイエムウェアの国内売上高が昨年度(2007年12月期)には前年度比でおよそ100%増に到達。グローバル全体での同88%増を上回る伸びだ。先行する北米市場に比べて浸透が遅れていた国内でも、「本格的に火がついてきた」(ヴイエムウェアの三木泰雄社長)と見る。

 一般的なサーバーリソースの平均稼働率はせいぜい20%程度で、残り8割は遊休資産と言われてきた。物理的な制約でシステムの柔軟性が低く、余裕をもった設計せざる得なかったためだ。この点、仮想環境で動く仮想マシンは既存リソースを効率よく活用でき、ハードウェアの増設を抑制できる。物理マシンとは比べものにならないほど柔軟性が高いのだ。米国のデータセンターでは、「物理サーバーを買い足していくやり方を禁止する動きも出てきている」(同)そうだ。また、クライアントを仮想マシン化し、集中管理によってコストを削減、セキュリティを向上させる取り組みも活発化している。

 ちなみに三大キーワードの残り2つはグリーンITと内部統制。仮想化によって物理サーバーの台数増を抑え、省電力によるCO2削減につなげる。かつクライアントの集中管理で内部統制の強化にも役立たせる。この三位一体の相乗効果をビジネスに生かせるかどうかが今年のITベンダーの業績を左右する!(寶)
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