景気が下降線をたどるなか、企業ユーザーは相次いでコスト削減へ舵を切る。膨れあがったIT関連費用は、残念ながら真っ先に目をつけられる対象のようだ。ただ、見方を変えれば、こうした顧客のコスト削減の要請に応えられるSIerが受注を増やすチャンスでもある。

 では、どのようなコスト削減が有望なのだろうか。


 端的に言えばワンリソース・マルチユース。データセンター(DC)に汎用性を持たせた業務アプリケーションを入れ、複数の顧客でシェアして使う。個別に開発するよりもシェアして使ったほうが割安になるからだ。SaaSやクラウドコンピューティングと呼ばれる手法は、不況に強い商材に育つ可能性が高い。NTTデータや野村総合研究所などはいち早くマルチユース型のシステム開発に取り組む。


 DC事業に力を入れるSIerの京セラコミュニケーションシステム(KCCS)は、先日、仮想化ソフトのヴイエムウェアと自社DCを組み合わせたセミナーを開いた。参加者を見ると同業者のはずのSIerの姿がチラホラ。お目当てはKCCSが持つDCインフラのようだ。仮想化されたオンデマンド型DCを使った業務アプリケーションサービスに自ら乗り出すためにライバルの元へも足を運ぶ。


 考えることは誰もほぼ同じでも、誰もがDCを持っているわけではない。持つ者は、持たざる者とうまく協業して共に不況を乗り切ってもらいたい。(寶)