年末の休暇に入った企業が大半だったであろう12月30日、2008年もあと2日で終わろうとしていたその日に、IT業界でその年最大のトップ人事が発表された。日本IBMの社長に橋本孝之氏が09年1月1日付で就任──。IT業界内では、年末になれば毎年のように日本IBMトップ人事の噂話が流れていた。08年末、それは現実となった。

 橋本氏は、それまで務めていた取締役専務執行役員事業開発担当から、代表取締役社長執行役員に就任。代表取締役社長執行役員兼会長だった大歳卓麻氏は、代表権のない会長に退いた。


 橋本氏は、1954年愛知県生まれの54歳。78年に日本IBMに入社し、パートナー戦略や中堅企業向けビジネスなどで頭角を現し、着実にポジションを上げてきた。記者は何度かインタビューしたことがあるが、その印象は冷静沈着、時に気さくな一面も見せる人物といったところだ。


 景気後退の影響で市場環境は厳しく、日本IBMは1000人規模の人員削減を断行するなど、逆風が吹き荒れている。そんななかで、多彩なキャリアを経てきた橋本社長が打ち出す新施策は実に興味深い。今年の注目人物の一人となりそうだ。(鈎)