●2003年6月2日 vol.992 2面にて報道

 メキシコが発生源とみられる「豚インフルエンザ」は、世界経済の沈滞感をさらに深める恐れがでてきた。「ITバブル」が崩壊した2003年当時、同じような感染症として重症急性呼吸器症候群「SARS」が中国を中心に世界で猛威を振るった。週刊BCN(03年6月2日号)では「SARS問題取材班」を編成し、パソコン流通を中心に影響度をメーカー各社に取材してまとめている。

 当時、日本のIT業界への影響として、松下電器産業(現パナソニック)の中国製造子会社で感染者が出た、と第一報が届いた。日立製作所やNECなど中国に生産拠点をもつメーカーは、「一時的に部材調達の数量を増やす」と警戒を強めたが、実害を被るまでには至らなかった。

 だが、世界が商戦期に入る前の大イベントとして定着していた台湾開催の「COMPUTEX」が延期。これを機に製品認知を高めようとしていたアジアのメーカーに打撃を与えるなど混乱する様子を克明に報道。国内ソフトウェア会社でも「開発の遅れは必至」と、世界展開するIT業界の危機管理能力が問われた。今回もSARSと同様に規制レベルが上がりつつあり、当時の経験が試される。(谷畑良胤)