北斗七星

北斗七星 2009年7月27日付 Vol.1294

2009/07/27 15:38

週刊BCN 2009年07月27日vol.1294掲載

▼衆議院解散で総選挙に突入する。ウグイス嬢が選挙カーから候補者の名前を連呼し、人が集まる場所での辻立ちで政策を訴える。表向きの手法は相変わらずだが、その“風物詩”にも変化が見える。東京都議選では、「QRコード」を貼付した候補者の選挙ポスターを目にした。携帯電話をかざすと候補者の「マニフェスト」や当事者の演説などが出てくる。しばらく様子を見ていると、若者が携帯電話で撮影する姿がちらほら。中身を真剣に見たかどうかは不明だが、選挙に触れる機会にはつながっている。

▼今回は、戦後初めてとさえいわれる「政権選択選挙」の様相を呈している。国民の選挙への関心は高く、投票率は期待できそうだ。オバマ大統領は演説を動画サイトに掲載して政策を訴え、話題を振りまいた。これが選挙を制した一因でもある。今回の衆院選は、Web技術やインターネットを使った戦略を駆使し、政治離れの著しい若者を惹きつける絶好の機会だ。

▼大政党になると、大きな選挙のたびにメディア戦略のバックに広告代理店やPR会社が付く。紙媒体の訴求力が低下するなか、辻立ちなど「リアル」とWebメディアを融合させてアピールをする時代がきた。日本の場合、米国ほどインターネットを利用できない規制が存在する。しかし、リアルで候補者を見て、Webで政策を知り、楽天が始めた個人献金サービスなどで献金し、応援した候補者が当選する成功体験は、きっと政治参加を促進することだろう。
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