世界初
(1) のノートPCである「dynabook」は誕生から36年を数え、日本を代表するPCブランドとして広く浸透している。2024年度にはノートPCのブランド別で国内シェア1位
(2) を獲得し、市場からの高い評価を裏付けた。そのブランド力の根源には、製品開発を支える技術力はもちろん、全国約50カ所の拠点で構成される営業・サポート網、さらには各拠点と深くつながるパートナーの存在がある。各拠点の実態を通じて、コンピューティングとサービスで地域の顧客を支え続けるDynabookの本質に迫る。
最終回は九州、中国、四国の3支店と、グループ会社のDynabook多摩情報機器を紹介する。3支店を管轄する西日本支社の植林冬樹支社長はそれぞれへの期待として、九州には「地場の大手企業への訴求」、中国には「新規顧客への提案強化」、四国には「新規パートナーの開拓」を挙げる。また、東京・多摩エリアを担当する多摩情報機器は地域に寄り添った営業活動を展開し、エリア内でのプレゼンス向上に努めている。現場の取り組みを追った。
(1):1989年、世界初のノートPC「DynaBook J-3100 SS001」を発売
(2):「IDC Quarterly Personal Computing Model Analysis」(※)は、IDC独自の調査手法に基づき、各情報ソースのガイダンスを用いて、PC製品市場規模、ベンダーシェアの実績や市場予測を定期的に提供するデータベース製品です
※Source:IDC Quarterly Personal Computing Model Analysis 2025Q3 Share by Brand ※2024年(1月~12月) ALLSegment合計。Dynabook社のシェアは14.7%
九州支店
対面での顧客接点を通じて信頼をつかむ
九州支店は沖縄を含む8県を担当する。エリアの顧客の特徴として、新技術への感度は高い一方、導入の費用対効果を厳しく見極める傾向があるという。「要件が固まる前の策定段階から入り込めるかが重要」とし、顧客のニーズを深耕して提案に関わる取り組みを心掛けている。
九州支店
高瀬研二 支店長
そのために「まずはお客様に信頼・信用していただかなければ何も始まらない」。その上で「『売りたいものを売る』のではなく、お客様の課題が解決できる製品を見つける」ことを重視している。パートナーとは「フェイス・トゥ・フェイスの関係を可能なかぎり増やしている」と強調。課題となる地元の大手顧客の開拓に関しても「パートナー様と連携して伸ばしたい」と意気込む。
今後の柱として掲げるのが、西日本LCMセンターを活用したLCMソリューションの拡大だ。「LCMセンターを見学いただいた九州のお客様からの評価は高い。端末管理の効率化ニーズに対して、Dynabookだから提供できる価値を訴求していきたい」と語る。並行して「Copilot+ PC」や生成AIに関するサービスにも注力する方針だ。
九州フィールドサポート部
顧客の悩みを引き出す「一言」
近年は「PCの管理や運用面で悩みを抱えているお客様が増えてきている」と感じており、LCMソリューションの提案を積極化させているという。顧客を訪問して作業を行う際は「困ったことはないですか」と一言添え、悩みなどを引き出して課題解決に貢献している。
九州 フィールドサポート部
土井雅生 部長
印象に残る案件として挙げるのが、九州全域の100カ所超での設定作業を1カ月で完了させた自治体案件だ。パートナーの力も借りつつ、作業の効率化を図り、短期間での作業完了を実現。「お客様の要望に応えられたことに手応えを感じた」と振り返る。
課題は若手への技術・ノウハウの継承だ。週次ミーティングに加え、OJTを通じてスキルを高める取り組みを続けており、「修理対応だけでなく、お客様のニーズを聞き取り、次の展開につなげるスキルを身につけてほしい」と語る。
九州支店
〒812-0881
福岡市博多区井相田2-12-1
シャープ福岡ビル3階
電話番号:092-589-0630
中国支店
フットワークを鍛え、パートナーとの同行で顧客を開拓
中国支店は広島、岡山、山口、島根、鳥取の5県をカバーする。人口の多い広島や岡山でのビジネスを中心としつつ、最近は島根や鳥取でもDynabookの存在感が高まっているという。コンバーチブル型の機種をはじめ、モバイルPCにおける豊富なラインナップが好評であることに加え「地元に密着している営業スタイル」で競合が強いエリアでも実績が生まれている。
中国支店
筒井裕之 支店長
現在は新たなパートナーの開拓に努めているところだ。「まずは訪問させていただく」と語るように、パートナー候補の企業を直接、何度も訪れ、対話を重ねて製品の魅力を伝える。そうすることで、自然と協業関係が生まれた例がある。「パートナー様からお声をいただければ、できる限り一緒にお客様先へ同行する」方針で、地域のパートナーの側にいる強みを最大限に生かしている。
若い人材には顧客との接点づくりを重視するよう伝えており「お客様の元へ足を運ぶことを大切にしてほしい」と呼び掛ける。フットワークを鍛え、新たな顧客の開拓を加速する構えだ。
中国フィールドサポート部
ITシステム全般を任される存在に
サービスの「勝負どころ」と位置付けるのが、顧客のITシステム全般の課題解決だ。自治体の基幹ネットワーク全体を設計・構築した実績を持ち、ネットワーク機器の刷新から仮想化基盤の導入まで一手に担うこともある。
中国 フィールドサービス部
今田直樹 部長
「ホスト系を任されれば、お客様のIT全般に関われる可能性が高まる」と述べ、PCビジネスへの効果も期待する。「DynabookはPC以外のこともたくさんできるとお客様に知ってもらいたい」という。
仮想化基盤については「リプレースについて悩んでいるお客様は多く、自社で構築を担えるようさらに注力したい」と語る。
顧客から持ち込まれる相談はさまざまで、一見すれば自社の範疇外に見えるものも多い。しかし、これらを「次の提案につながる接点」と捉え、「できません」で終わらず、解決策を模索した上で、次回につながる対話を続けて信頼を積み上げていく。
中国支店
〒731-0113
広島県広島市安佐南区西原2-13-4
シャープ広島ビル3階
電話番号:082-850-2071
四国支店
行動量を増やし、パートナーと一体で案件をつくる
四国4県を担う四国支店。「1人週10件訪問」を目標に掲げ、行動量の底上げを図っている。さらに若手に対しては主体的な営業を実践するよう働き掛けている。「お客様に対して、『こういう新製品が出ます』、『PC以外でもこんなソリューションが提供できます』というような仕掛けをすることでお客様との対話が生まれる。すでにある案件を待つのではなく、お客様とのコミュニケーションを通じて課題を発掘し、案件を創出していくことが必要」と話す。
四国支店
今井隆徳 支店長
パートナーとの関係については「パートナー様に任せるのではなく、一緒にやる」姿勢を一貫している。顧客において何が起きているかを「肌で感じるところを大事にしたい」。共に行動することで、パートナーにも安心感が生まれ、「パートナー様から、dynabookを積極的にご提案いただけるようになっており、今後も絶やさないように取り組みたい」と力を込める。
長年培われてきた人脈を大切にしながら、「走りながら考え、よりよい提案を」の姿勢で、新たな顧客やパートナーの開拓にも注力する方針だ。
四国フィールドサポート部
独自サービスでビジネス伸ばす
顧客への価値を提供できた事例として、ある自治体で発生した5000台の端末の入れ替え案件が記憶に残っている。3カ月弱という短期間で、日々200~300台を現地でキッティングしながら設置を進め、計画通りに完了させた。「限られた人員で遂行できた実績は大きかった」とする。
四国 フィールドサポート部
荒井昌也 部長
キッティングといった業務に加え、無線LAN環境の構築や、サーバーのリプレースといった独自のサービスにも精力的に取り組んでいる。既存ユーザーとのつながりを通じて、ネットワーク構築やサーバーリプレースの依頼も入っており、昔からの人脈が独自案件を生む好循環が生まれている。
課題として「Autopilot」など新技術への対応を挙げる。まだ導入する顧客は少ないものの「一般的となる日は近いだろう。技術の習得を急ぎたい」と見据える。
四国支店
〒760-0065
香川県高松市朝日町6-2-8
電話番号:087-821-5715
Dynabook多摩情報機器
多摩エリアに根差し、プレゼンス高める
Dynabook多摩情報機器は、東京・多摩エリアを主な商圏として、PCや周辺機器、サーバー、複合機などを取り扱うグループ会社だ。多摩エリアは大阪市や静岡県を超える人口規模を有しており、本社が注力する23区エリアから独立して存在する意義がある。
Dynabook 多摩情報機器
土方啓司 取締役
「環境変化に伴い、今は自ら動いて提案していかなければ成長できないということを、メンバー全員が自覚してきた」と話す。近年は自治体向けの提案を強化しており、実績を伸ばしている。直販が多いものの、最近ではパートナーとの連携も推進し、自治体や文教の案件の獲得につなげているという。
多摩周辺のIT関連企業が集まるコミュニティーに参加し、勉強会などを通じて交流を深めている。そこで生まれた関係が新しいビジネスにつながることもあり、以前と比べて、地域の中での動きが活発化している。
地域に立脚した企業として「今後もお客様の近くで仕事をしていきたい」。多摩エリアにおけるDynabookのプレゼンスをさらに高めていく考えだ。
(おわり)
Dynabook多摩情報機器
〒190-0014
東京都立川市緑町7-1
立飛ビル8号館8階
電話番号:042-519-3600