31歳からの三年間、必死に勉強して身につけた自らの体験をもとに著し、20万部のベストセラーとなった「村上式シンプル英語勉強法」。その第二弾がこの本である。

 グーグル日本法人の名誉会長職にある村上憲郎氏の社会人としてのスタートは日立電子だった。その後、日本DECに転じたほか、数社の外資系IT関連企業の要職を務め、2003年以降はグーグルに籍を置いている。

 この本のベースとなっているのは、前書の「英語勉強法」と同じく、自らの社会人としての体験だ。ところが、“仕事術”というタイトルから思い浮かべる事柄を想像していると、かなり意表を突かれる。

 章立ては4本。第1部 村上式・仕事における7つの原理/第2部 グローバルに仕事を動かす4つの知識/第3部 仕事に活かす3つの経済学/第4部 理系諸君へ──。

 例として、第2部を取り上げてみよう。「グローバルで通用する」といえば、皆さんはどのようなことを挙げられるだろうか。村上式によれば、(1)キリスト教の基礎を理解する、(2)仏教の基礎を理解する、(3)西洋哲学の基礎を理解する、(4)アメリカ史の基礎を理解する──の4項目だ。

 なぜキリスト教や仏教、西洋哲学が必要なのか。「その根底にある思想を理解することが大事」だからと著者は持論を展開する。巷のビジネス書とはひと味違う本書。隣席の同僚に読ませたら、「病み付きになりそう」という感想が返ってきた。(止水)

『村上式シンプル仕事術』
村上憲郎著 ダイヤモンド社刊(1500円+税)