海外事業を成長の大きな柱としている国内ベンダーは数多く存在します。これまでBCNは、盛り上がりをみせる中国のIT業界動向をいち早くお届けしてきましが、取材を通じて、中国で躍進するためには現地パートナーとの協業や優秀な人材の確保が不可欠の要件であることを強く感じています。
生産スケジューリングシステム市場で国内トップシェアのアスプローバは、中国市場でパートナー企業を充実させてきました。日系企業に対しては、電通国際情報サービスやJBCCホールディングスなどの販売パートナーとNECをはじめとする協力パートナーが販売活動を展開。その一方で、現地企業に向けての販売で力を発揮しているのは、現地資本の地場系ベンダーです。 伸び盛りの中国で80社100サイトを超え、その40%を台湾を含む現地企業が占めています。
NTTコミュニケーションズは、現在は日系企業がユーザーの中心ですが、海外では現地新卒社員の雇用・育成を進めるなどの手で、開拓に乗り出しています。NTT通信系統(中国)有限公司の張建明総経理は、「当社では、どうしても辞めてほしくない人材はきちんと定着しており、転職率は低い」と話します。非日系の売り上げ比率は、50%以上にする計画だといいます。
海外事業の展開に頭を悩ませている国内ベンダーは少なくありません。BCNは、2012年も引き続き中国をはじめとする東アジアをウォッチしていきます。ご期待ください。(信澤健太)
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中国市場の開拓を進める日系ベンダー パートナー獲得と人材確保が不可欠メールマガジン「Daily BCN Bizline 2011.12.27」より