北斗七星

北斗七星 2012年2月13日付 Vol.1419

2012/02/16 19:47

週刊BCN 2012年02月13日vol.1419掲載

▼ミャンマー民主化運動の指導者、アウン・サン・スー・チー女史が7年ぶりに自宅軟禁を解除された2010年11月。日本の大手ITベンダー中堅幹部がFacebookに「ミャンマーを開拓してみたい」と投稿した。この国が軍政から民主化へ向かうと判断し、いち早く着目したのだ。

▼中国の北京や上海など主要都市のタクシーは、大半が独フォルクスワーゲン製だ。事情通に聞けば、これは市政府の大号令。タクシー会社は、ワーゲンの車しか使えないらしい。フォルクスワーゲンは中国での成功を機に、世界でトップクラスの生産・販売台数を誇るまでに成長した。

▼同じドイツ製では、ERP(基幹業務システム)のSAPが中国で大きな市場を獲得している。「先行者利益を取る」ということもそうだが、世界的視野で次の市場を求める姿勢が際立つ。国債問題に悩む欧州、貿易赤字が続く米国。ともに市場規模は大きいが、成長率は東アジアが上回る。

▼2008年頃、日本の家電メーカーは次々に国内にテレビ工場を新設した。日の丸ニッポンに期待しての投資だった。しかし、残念ながら世界を見る目が足りなかった。(吾)
  • 1