旅の蜃気楼

中国に感じる「街は生き物だ」

2012/04/12 19:47

週刊BCN 2012年04月09日vol.1427掲載

【内神田発】中国に足繁く通い始めて、25か月になる。中国には東京都と同じ規模の街が20か所ある。25か月の間にその大どころの都市はほぼ訪問してきた。中国政府は、都市を5等級に分類している。それによると、1級都市は18で、私がまだ訪問していないのはハルピンとマカオの二つの都市だけになった。ここで少し振り返ってみよう。

▼中国はどの都市も元気だが、北京と上海の元気度合いは別格と感じる。二つの都市に共通するのは地下鉄の普及だ。地下鉄はとても便利で、安心して乗ることができる。他の都市はまだまだこれから整備する段階だ。地下鉄の普及度合いで経済成長度を測ることができる。道路はずいぶん整備されている。住居が取り壊されて、まっすぐの道路ができる。次に訪問した時には昔からあった街のような雰囲気を醸し出している。街は生き物だと感じる瞬間だ。

▼空港と道路の整備はかなり進んでいる。空港の大きさはどの街も半端じゃない。建物は大きくて、造りが似ているものだから、移動で疲れ切って、ほかのことを考えている時などには、「えっ、ここはどこ?」と、ハッとすることがある。ボケたのではないと自分に言い聞かせて、我を取り戻す。空港と街の距離はさまざまだが、地下鉄の普及はこれからだ。

▼道路にはクルマが氾濫している。ドイツの高級車がやたら走っている。結構かっこいい色合いのクルマも走っている。自転車は見当たらない。電気オートバイがスイスイ走っている。北京・上海の地下鉄に乗ると、お年寄りと地方からの観光客を除くほぼ全員の乗客が、スマートフォンを操作しているといえるほどの普及ぶりだ。今回は武漢と杭州を訪ねた。実に疲れた。この都市の訪問記は次回に紹介する。(BCN社長・奥田喜久男)

杭州の空港の広告。あまりに可愛らしいので、パチリ!
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