北斗七星

北斗七星 2013年3月4日付 vol.1471

2013/03/07 15:38

週刊BCN 2013年03月04日vol.1471掲載

▼「団塊の世代」の引退が、頻繁に話題になる。一般に、1947~1949年に生まれた層を団塊の世代と呼ぶ。企業によって定年退職の年齢は違うが、仮に65歳とした場合、昨年から団塊の世代の退職が始まっていることになる。

▼IT業界でいえば、「COBOL」を代表とするレガシーな開発言語を扱う技術者が一気に姿を消し、未だ企業に残る古い言語で書かれたシステムを運用できないのではないかと、不安視する声が大きくなっている。

▼「今の30~40代の人には、私たちがその年齢だった頃にもっていた野心、エネルギーが感じられない。それが心配だ」。1948年生まれで、1990年に広島でソフト開発業のハイエレコンを設立した福井五郎氏の弁だ。団塊の世代を有効活用しようとする現役の考えの一方で、団塊の世代は将来を憂えて別の思いをもっている。

▼IT業界は、これまでのように右肩上がりでは成長しない。厳しい時代が待っている。業界の発展を先導しなければならない30~40代のIT業界のビジネスパーソンは、技術や開発スキルを団塊の世代に求める前に、20兆円弱の国内IT市場を築きあげた先輩たちの、あの頃の情熱に学ぶ必要があるように思う。それが、今の閉塞感を打開するために最も求められる力なのだから。(鈎)
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