北斗七星

北斗七星 2013年10月14日付 vol.1501

2013/10/17 15:38

週刊BCN 2013年10月14日vol.1501掲載

▼受託ソフトウェア開発では、顧客の無理難題も請け負うのが常だった。請けた側は、開発工数が多く期間が長いほど実入りがよくなる。ところが、この慣行を排除して、顧客が納得するまで徹底的に話し合って詰める開発スタイルを貫くソフト会社が現れた。

▼企業システムでクラウドが浸透する前の受託ソフト会社は、金太郎飴のようだった。顧客からみれば、安心や信頼だけがベンダーの選定理由になっていた。勢い、大手SIerが儲けをせしめる構図となる。こんな時代が終わろうとしている。

▼地方のSIerの多くは、大都市圏から落ちてくる仕事を拾うことで経営が成り立っている。組み込みソフトを除く企業向け受託ソフト開発は、案件数の激減が避けられない。自らのポジショニングを真剣に検討せよ、と多くの論者は訴える。

▼「納品のない受託開発」で知られるソニックガーデンは、企業の成長に寄与するウェブサービスなどに特化して支援する。熊本県のシステムフォレストは、クラウド開発に特化して地元案件にこだわる戦略へ転換した。5年後、10年後を見越し、戦う場所を定めて人的・物的投資することが求められる。(吾)
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