BOOK REVIEW

<BOOK REVIEW>『カイシャ語 使える! 大人のコトバ辞典』

2013/12/19 15:27

週刊BCN 2013年12月16日vol.1510掲載

あなたのコトバづかいは大丈夫?

 まずは問題。以下の文章や用語はすべて誤りです。正しいものに書き換えなさい。

(1)一同に会す、(2)快心の出来、(3)完壁、(4)異和感、(5)現状復帰、(6)徹回、(7)シュミレーション、(8)紛飾、(9)粉糾──あなたは、完璧に答えられただろうか。かくいうワタクシは、社会人になって初めて、完璧の璧が壁ではないと知った恥ずかしい過去をもっている。

 パソコンのワープロ機能を使えば、難しい漢字でも書き記すことができる。だが、「げんじょうふっき」を「げんじょう」と「ふっき」に分けて打ち込めば、誤った熟語ができあがってしまう。

 今回取り上げるのは、カイシャで上司や先輩の口からよく発せられる言葉を集めた辞典だ。国語辞典と異なるのは、一語ずつ「読み方」「意味」「用例」「注意」が記されている点だ。親切である。

 [例:過渡期|かとき 意味=古いものから新しいものに入れ替わる移行期/用例=若手とベテランが入れ替わる、組織の過渡期だ/注意=「かどき」は読み間違い。アボカドをアボガドと言い間違えるのと同じくらいビミョウな言い間違いだけど気をつけたい]

 漢字の読み方や意味だけではない。よく使われる言い回し、例えば「忸怩たる思い」とか、「言質を取られる」などの意味や用例などについても解説してある。

 社会人一年生にはもとより、経験豊富なビジネスマンの「思い込みによる間違い用語」の発見にも役立つ辞典である。(仁多)


『カイシャ語 使える! 大人のコトバ辞典』
福田 稔 著
小学館 刊(1100円+税)
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