日本マクドナルドやファミリーマートが、使用期限切れの食肉を出荷していた上海福喜食品と取引していた問題で、再び食の安全に対する関心が高まっています。日本のネットなどでは、「中国産の食品は危険」「中国からの食品の輸入を停止すべき」などの意見が散見され、「中国産」のイメージは低下の一途をたどっています。
中国国内では、日本以上に今回の食肉問題が嘆かれています。市場には、成長ホルモン剤育ちの食肉や、農薬まみれの野菜など、安全性が疑われる食品が売られているだけに、実は中国人の食の安全に対する意識は高く、ローカルフードの飲食店でも、地元の人は信頼がおけない店には近寄りません。
使用期限切れの食肉を出荷していた上海福喜食品は、米国の食品卸売会社であるOSIのグループ会社。中国人にとってはいわば外資系企業で、これまである程度信頼を寄せていた相手に違いありません。しかし今回の件で、国内企業だけでなく外資系もダメになったことで、中国人は、もはや信頼できる食品供給者がいなくなってしまうのではないかという不安に駆られています。
中国ローカル市場の開拓にあたって、日系IT企業の大きな強みは品質です。ローカルIT企業とコンペになったとき、価格競争に巻き込まれるケースは少なくありませんが、自らの強みをいま一度胸に刻み、品質を損なうことのないよう、中国人の信頼を失わないよう、取り組んでいただきたいと願います。(上海支局 真鍋武)
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ソフトブレーンチャイナ、上海で営業・マーケティングのセミナーを開催メールマガジン「Daily BCN Bizline 2014.8.1」より