老若男女に人気がある「焼き餃子」。昼はラーメンとセットにしたり、夜はビールのおつまみとして楽しんだり。焼き餃子は日本の食文化に根づいているみんなの大好物です。ところが、餃子の母国ともいえる中国では水餃子が主流で、焼き餃子はあまり食べないという話をよく聞きます。日本の焼き餃子は、どこから来たのでしょう。
先日、日本有数の餃子関連情報サイト「東京餃子通信」の塚田亮一編集長にインタビューする機会があって、そのとき質問を投げかけました。すると、さすがプロ。塚田さんは焼き餃子の歴史をレクチャーしてくださいました。
塚田さん曰く、第二次世界大戦後、満州から引き揚げてきた人々が、水餃子を売り始めたのが始まり。しかし、その味が受け入れられず、最初はほとんど売れませんでした。肉が不足していた戦後の日本では、餃子の中に入るのは腐りかけの肉。水餃子が「臭かった」ことが不人気の最大の理由だとか。そこで、餃子にニンニクを入れることで臭さを和らげ、さらに焼くことによって独自の味をつけました。状況に合わせた「カスタマイズ」で、日本の食卓を制覇したのです。
焼き餃子の歴史には、SIerにとってのヒントが隠れています。ITの製品やサービスを米国から輸入し、そのまま日本で売るのではなく、各業種のニーズにカスタマイズして独自商材として提案することこそ、SIerの腕の見せどころ。焼き餃子の例が示すように、簡単な工夫が大きな成果をもたらすことがあります。顧客のニーズに敏感になって、ユニークな製品・サービスを開発してください。そこに、きっと商機があるはずです。(ゼンフ ミシャ)
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<売れるにはワケがある トップ営業の素顔と横顔>富士通エフサス 鈴木崇史さん(下) カスタマイズ対応で案件をものにするメールマガジン「Daily BCN Bizline 2014.8.27」より