▼冬物セール中のアウトレットモール。近所のスポーツ店ではみかけない商品が気になり、手に取った。定価の2割引。さほどは安くないが、冬物セールの雰囲気に呑まれて衝動買いした。それはいいけれど、代金支払いの時に店員が言った「返品はできません」が引っかかる。アウトレット商品だからというのだが、釈然としない。

▼米国では「返品保証」をうたう小売店が多い。そのサービスがリピーターを育てるというが、悪用されたら商売できない。例えば、パーティ前にドレスを購入し、使用後に返品すれば実質無料になる。「ワードロービング」と呼ばれる恥ずかしい行為で、日本にも同様のケースがあるという。

▼顧客に販売チャネルを意識させない「オムニチャネル」の取り組みでは、返品方法のオムニ化も視野に入る。一般の顧客にはありがたいが、ワードロービングが増えてしまうかもしれない。

▼大阪では、百貨店でも顧客が値引き交渉をする。そのやり取りはワードロービングの撲滅につながりそうだが、課題もある。値段交渉の仕組みのオムニ化が求められれば、オムニチャネルが“重荷チャネル”になるからだ。(風)