君は仮想化の意味を知っているか

 バーチャライゼーションやバーチャルという言葉は、IT分野以外でも広く使われている。訳としては“仮想”が使われることから、その意味を虚像や実体のないものと解釈されるが、英語の意味は少し違う。「(表面または名目上はそうではないが)事実上の/実質上の/実際の」という意味がある。それを教えてくれたのが本書だ。とくに引用している「新英和中辞典」(研究社)の文例がわかりやすい。

●It was a virtual promise.
●(約束ではないが)実際には約束も同然だった。

 この文例を知ると、バーチャルに対してもっていた虚像というような印象が少し変わってくる。仮想サーバーにあてはめてみると、「実際には物理サーバーをもっているも同然」となり、「実体のないサーバー」よりも仮想サーバーのイメージに近い。

 わかっているようで、実は本質からずれた認識をしているかもしれない。そんなことを思い起こさせてくれるのが、本書である。タイトルの“コレ1枚”とは、左側ページに全面で掲載している図を指している。ITのトレンドを図でわかりやすく説明するのが狙いで、文章も専門用語を使わないというこだわりようだ。扱っているテーマは「クラウド」「モバイル」「インフラ」「IoTとビッグデータ」「スマートマシン」の五つ。各テーマでは“本質”の説明に注力していて、都市伝説ともいわれるような誤解を解くなど、単なるキーワード紹介では終わらせないという著者の意気込みを感じる内容になっている。(亭)


『図解コレ1枚でわかる最新ITトレンド』
斎藤昌義、大越章司、渋屋隆一 共著
技術評論社 刊(1706円+税)