伝えたければ「見てもらう」

伝えたければ「見てもらう」 スクリーンを使ってプレゼンをしている最中に、聞き手が手元の資料をみていて顔を挙げないことがある。メモを取っているのならまだいいが、最悪なのはプレゼンしているページよりも先のページを見ているというケース。興味がないのか、先が楽しみでめくったのか。いずれにせよ、それに気づいてしまうと、自分の話を聞いていないのではと思い、プレゼンターはプレゼンに集中できなくなってしまう。

 だから資料は配ってはいけない。マイクロソフトのエバンジェリストで、IT業界屈指のプレゼンターとして知られる著者は、そう本書で指南している。たとえマン・ツー・マンのプレゼンでも、資料を渡してはいけない。プレゼンは「目線」で決まるからだ。

 では、なぜ目線なのか。伝えるのがうまい人の共通点は「自分が伝えたいこと」と「相手が見ていること」を一致させる「視線誘導」ができているというのが、その理由だ。プレゼンの成否は、こちらの意図が相手に伝わるかどうかである。そのため、プレゼンが目線で決まるということになる。

 本書では、視線誘導を実践するための77のメソッドを紹介している。伝えることが仕事のエバンジェリストで高い評価を得て、日本マイクロソフトの執行役員に就任した著者だけに、メソッドの一つひとつに説得力がある。ただ、すべてを一気に習得するのは簡単ではない。本書では「スライドの使い方」「シナリオのあり方」「トークの方法」で章立てしてあるので、まずは苦手分野から習得するという使い方がお勧めだ。(亭)


『プレゼンは「目線」で決まる』
西脇資哲 著
ダイヤモンド社 刊(1500円+税)