残業しないで定時で帰ろう

 会議でパソコンを持ち込むのは一般的になったが、どうも違う仕事をしているのではと疑いたくなることがある。議事録を採っているわけではないのに、ずっとパチパチ。自分の番が回ってきたときは手を止めるが、出番が終わるとすぐに気持ちが画面に戻っている。

 “ネットがないと仕事にならない”との主張もわからないではないが、会議中くらいはがまんができないものか。古い考えだと言われそうだが、会議の進行に影響があると感じればイライラしてしまう。

 「仕事が速い人はインターネットから逃げ、仕事が遅い人はインターネットに近づく」。本書の2番目に出てくる「仕事が速い人」のメソッドである。ポイントはインターネット依存、スマホ依存で無駄な時間を消費しているとの主張のため、会議でのパソコン持ち込みとは直接関係ない。とはいえ、インターネットに集中力を奪われているという意味では、あながち間違っていないだろう。

 著者は主張する。「今の日本人は、インターネットやスマホを利用しようとして、逆にうまく利用されている」。仕事が遅い人は、インターネットに時間を吸い取られているのである。

 本書の初版発行は2013年だが、増刷を繰り返すロングセラーになっている。それだけ、仕事が遅いことを悩んでいる人が多いのだろう。ちなみに、仕事が速い人は、クラウドを利用すると紹介している。ワークスタイル変革を推進してきたIT業界の取り組みが、ここまで浸透したということか。(亭)

『「仕事が速い人」と「仕事が遅い人」の習慣』
山本憲明 著
飛鳥出版 刊(1400円+税)