AI関連のエンジニアには数学が必須

 AIとロボットが人間の仕事を徐々に奪っていく。まずは、投資対効果を得やすい高収入な仕事ほどターゲットになりやすいとされる。医師や弁護士の仕事がなくなる気配はまだ感じないが、病院で散々待たされて想定内の薬が出たときは、AIに変わってほしいと切に願うのである。

 では、最後に残る仕事は何か。有力な説の一つが、AI関連のプログラマだ。AIが徐々に仕事を奪っていくにあたって、AIを活用するためのプログラムを開発する人が必要となる。最後に残るのは、AI関連のプログラマとするのは、そのためである。

 幾多の流行り廃りを経ながら、AI活用は確実に前進してきた。仕事を奪わないにしても、すでに多くのビジネスシーンで活用されている。ブームは去るかもしれないが、システム開発にかかわるのであれば、やはりAIの活用方法を知っておくべきだろう。

 AIがブームになったことで、多くのAI関連書籍が発行されている。ただ、シンギュラリティなどの概念的な解説に終始しがちで、AI活用の具体的な方法を学べる書籍は少ない。
 そこで、本書である。エンジニアを対象とし、プロダクトやサービス開発に必要な基礎知識を紹介するというのがコンセプト。AI活用に必要なハードやソフト、環境などを具体的に解説しているため、概念の勉強から知識を一歩前に進めることができる。また、本書で実感するのは、AIの仕組みを理解するには数式を読み解く知識が必須ということ。理系出身者でも思い出すのに苦労するかもしれない。数学が苦手なら、本書を読み進めるのは絶望的だ。(亭)


『あたらしい人工知能の教科書』
多田智史 著、石井一夫 監修
翔泳社
(2600円+税)