データに基づく「働き方改革」の指南書

 「働き方改革」は、ややもすればフワッとしたイメージになりがちだ。本職の人事・総務部門でさえも、どうやら白黒はっきり評価できるようにはなっていないと本書では指摘している。

 著者の大湾秀雄・東京大学教授は、人事や組織改革のPDCAのうち、計画(P)と実行(D)はできても、評価(C)と改善(A)が欠けていると分析する。評価・改善をしようにも参考にすべき文献や指標が少ないことが原因とのこと。「秘匿性」を盾に、企業が人事データをなかなか出してくれず、文献や指標づくりの障壁になっていた。

 本書は、人事給与システム開発大手のワークスアプリケーションズとそのユーザー企業の協力で、実際のデータに基づく科学的な評価・改善の研究成果を平易な言葉でまとめている。人事・総務部門だけでなく、「働き方改革」に関わる経営者やビジネスマンにも役立つ指南書といえそうだ。(寶)
 

大湾秀雄 著
日本経済新聞出版社 刊
(2300円+税)