北斗七星

北斗七星 2018年9月17日付 vol.1743

2018/09/21 09:00

週刊BCN 2018年09月17日vol.1743掲載



▼氷山の一角。世間を驚かす不祥事が発覚するも、それは始まりにすぎず、次から次へと似た問題が発生し続ける。またかと思うが、表に出てくるのはほんの一握り。問題の本質に近づくのは、簡単なことではない。

▼このところスポーツ界はパワハラ問題で揺れているが、まだ氷山の一角に違いない。「あの程度で訴えていいの?」と感じることで、声を上げるべきかどうかのハードルが下がってくる。スマホの普及によって、音声や動画を証拠にすることが容易になった。情報はどんどん拡散していく。良かれと思ってやったことでも、パワハラの解釈は世代によって違う。重鎮が権力を握っている団体は、スポーツ界に限らず要注意だ。

▼水面下には、膨大な情報が眠っている。企業が活用できているのは、取得可能な情報の一割にすぎないとも。残りの九割は、活用する価値があるのかどうか。取得しても似たようなデータなら、意味はない。

▼氷は水よりも容積が一割ほど大きい。水面から浮き出ている部分は、氷全体の約一割というわけだ。科学の視点では、氷山の一角ではなく、氷山の一割が正しい。アイスコーヒーに浮かぶ氷を見ながら、そんなことを考えている。(風)
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