日本の製造業に再び火を灯す

　製造業のユーザーを中心に、SIサービスや独自のパッケージソフトなど総合的なITソリューション提供を手掛ける東洋ビジネスエンジニアリング（B-EN-G）。本書の著者である同社常務取締役新商品開発本部長の羽田雅一氏は、B-EN-Gの看板製品で、グローバルベンダーの製品に対しても強い競争力を持つSCMパッケージ「mcframe」を企画・開発した人物だ。デジタル化の遅れにより国際的な競争力を失ってしまった日本の製造業に対して、業界をITで支えてきた立場だからこそ感じざるを得ない強烈な危機感が、羽田氏を本書の執筆に駆り立てたという。

　日本の製造業を取り巻く環境の変化のおさらいから、IT化・デジタル化を阻む要因の分析、この阻害要因を乗り越えるためのノウハウ・ポイント、競争領域のデジタル化による競争力強化やビジネスモデル変革による新たな価値創造に至る道筋の提案までを網羅した。まさに「ものづくりデジタライゼーション」を実現するための基本的な考え方から実践の方法まで幅広く解説している。（霹）
 
『ものづくりデジタライゼーション』
羽田雅一 著
幻冬舎 刊（1500円＋税）