生き残るために、生産性を高めよ

 日本で人口減少や少子高齢化が叫ばれるようになって久しいが、それに対する危機感を本当の意味で理解している人が今、どれほどいるだろうか。本著の著者である元ゴールドマン・サックスの金融調査室長で、現在小西美術工藝社社長を務めるデービッド・アトキンソン氏は、このままでは「日本は近い将来、三流先進国に成り下がることは確実」だと警鐘を鳴らし、早急な対応の必要性を主張している。

 すでに、政府もさまざまな経済・金融施策を講じてきているが、注意すべきは、世界的にみても日本の人口減少規模は極端に大きいということだ。アトキンソン氏は、そこを踏まえていない従来型の政策は有効ではないと指摘し、日本の事情に合った政策を展開すべきだと強調。その上で、日本人の勝算は「生産性の向上」にあると説き、そのために政府や企業が行うべき政策を提言している。日本が今置かれている状況と生存戦略について深く読み解くことのできる一冊だ。(宙)

『日本人の勝算 人口減少×高齢化×資本主義』
デービッド・アトキンソン 著
東洋経済新報社 刊(1500円+税)