「戦略的に縮む」ことで豊かな国に


 少子高齢化で今から20年経たずして国民の3人に1人が65歳以上の高齢者になる。その過程で私たちの職場や地域社会、家庭はどう変わっていくのかを、数字の裏付けをもって描いたのが本書だ。

 前著『未来の年表』では、時間軸で社会の変化を年表にまとめた。続編である本書では、生活の場で起きるであろう出来事を生々しく描写している。例えば、社内の高齢化で40代でさえも「若手社員」。ファッションリーダーの担い手は「80代ガール」。都心部でも所有者不明の空き家が増え、そこに巣くった「スズメバチの襲撃に遭う」など。

 深刻なテーマだが、ジャーナリストらしく、綿密な取材を行った上で、なおかつキャッチーな切り口で非常に読みやすい。本書の後半では個々人レベルで対処可能な「8つのメニュー」を提示。「衰退」や「負け」ではなく、「戦略的に縮む」ことを前向きに捉えることで、持続可能な豊かな社会を実現できると説く。(寶)
 

『未来の年表2』
河合雅司 著
講談社現代新書 刊(840円+税)