▼米オラクルの今年の年次イベントで異変があった。開催数日前にマーク・ハードCEOが健康上の理由で休職すると発表。イベントでは、創業者のラリー・エリソン会長が基調講演中に黙り込み「今回はマークがいなくて寂しいよ」と呟く場面があった。

▼ハード氏は10月18日に62歳で死去した。毀誉褒貶はあったものの分裂前のヒューレット・パッカードでCEOを務めた人物だ。オラクルに移籍し、カリスマであるエリソン会長を10年近く支えた。

▼SAPが自社プラットフォーム製品のHANAをベースにしてERPを刷新したときに、オラクルのDBビジネスにかなり負の影響をもたらすのではと質問したことがある。大迫力の猛烈な反論は鮮明に覚えている。年次イベントの基調講演で、ミレニアル世代の価値観が自分たちのそれとは大きく異なっていることをユーモアたっぷりに説明し、変化を受け入れることの重要性を説いた場面も印象に残っている。

▼クラウド時代に合わせて同社を別の形に変えていくフェーズで、経営の中枢を担ったハード氏。これからが勝負と言えるオラクルのクラウドビジネスが、ハード氏亡き後どこに向かうのか。雲の上から故人も見守っていることだろう。(霹)