▼現金10万円の一律給付が始まっている。マイナポータルを通じたオンライン申請なら早く処理ができるとして、なかなか普及が進んでいなかったマイナンバーカードの取得申請が急増した。ところが「オンライン申請は控えてほしい」と公言する自治体が現れた。

▼オンラインで完了できるのは給付金の申請だけで、給付の窓口となる自治体側で申請内容と住民基本台帳の情報を手作業で照合するため、処理できる件数が少なく職員の負荷も大きいという。溜息の出る話ではあるが、どれだけの人がマイナンバー制度のあるべき姿を真剣に考えたことがあるだろうか。ここにも、新型コロナ禍で得た教訓を生かすべきフィールドがある。

▼国産大手ITベンダーの20年3月期決算がおおむね出揃った。軒並み好調だが、21年3月期の見通しは不透明。それでもこの状況をDX推進、社会変革の契機とすべく役割を果たしていくという意欲を各社のトップは示した。しかし彼らが開発を担ってきた公共領域の情報システムは、もはや国民のニーズに応えられていないものも多いことが改めて露呈している。それは発注者側の問題だと言ってしまうようなら、民間のDX支援もままならないのではと心配になる。(霹)