デジタル護身術の指南書

 どこからでもインターネットへアクセスすることを可能にしたスマホや、人々のコミュニケーションを円滑にし、新たな人間関係を創り出したSNS。どちらも現代のITが生んだ有用なツールと言える。しかし、悪意を持って使われてしまえば、われわれや大切な人々を傷つける鋭利な凶器となりえる。

 日本でiPhone 3GSが発売されたのは2009年、日本版Twitterがリリースされたのは08年。すでに10年以上が経過しているが、いまだスマホやSNSに絡む事件が減少する気配はない。むしろ、不適切な投稿が原因の炎上事件が頻発するなど、一般人の良識が問われる事態も増えている。改めてテクノロジーに潜む危険性を認識する必要があるかもしれない。

 本書はスマホやSNSを活用する上でのセキュリティや情報リテラシーの重要性を説く一冊。著者は埼玉県警察本部捜査第一課に所属し、デジタル捜査班の班長を務めた人物でもある。実際の事件を基にした事例が数多く掲載されており、犯人の思考や手法を詳しく理解できる。デジタルの海に拡散された情報は容易には削除できず、悪意を持った人物はどこにでもいることが認識できるだろう。ちなみに、これらの事件から身を守るために必要な各ツールの設定方法についても紹介しており、目下の危険を回避したいという人には実践する価値はある。

 なお、一部の統計データが古いことには注意する必要がある。(万)
 


『あなたのスマホがとにかく危ない
――元捜査一課がおしえる SNS、デジタル犯罪から身を守る方法』
佐々木成三 著
祥伝社 刊(1500円+税)